●抵抗分圧で電圧を下げる

5Vから3Vを作りたいとか、2Vを作りたい場合には3端子レギュレターや他の電源など用意する必要がありますが、
一つの方法として、同じ抵抗が複数個あれば電圧を分割して取り出すことができます。
ただしこの方法では微小な電流しか取り出すことはできません。
なぜなのかと言うと、電気を消費する負荷自体が抵抗と同じであり分圧回路の抵抗値が変化してしまうからです。
あと、抵抗自体が電気を消費して発熱しますので焼損しないようにワット数の計算が必要になります。


▼電圧を半分にする場合


同じ抵抗を2個直列につないで5Vを流して、真ん中の電圧を取ると半分の2.5Vになります。


▼電圧を3分割する場合


同じ抵抗を3個直列につないで5Vを流すと、1.6Vと3.3Vの電圧を取り出すことができます。


▼電圧を5分割する場合


同じ抵抗を5個直列につないで5Vを流すと、1V刻みで電圧を取り出すことができます。


■ 抵抗分圧の計算式
抵抗値がバラバラだった場合にはこの計算式を使って出力電圧を計算します。



▼抵抗のワット数の計算


全部100Ωの抵抗を5本直列につないで、5Vの電圧をかけています。
1V刻みに電流が取り出せて、3本目では3Vがとりだせました。
回路自体の抵抗値は500Ωであり電圧は5Vで、この回路の電流をオームの法則で計算すると

5V ÷ 500Ω = 0.01A

次に消費電力を公式( W = A × A × Ω )で計算します。

0.01A × 0.01A × 500Ω = 0.05W

もしくは単純に( W = V × V ÷ Ω )でも計算できます。

0.05Wの電力ですので、安全性を考えて倍以上の 0.1W ( 1/10W )以上の電力に耐える抵抗を使えば良いと思われます。
それでも抵抗の発熱が気になる場合にはカーボン抵抗では4倍以上、金属皮膜抵抗では8倍以上の電力に耐えられる抵抗を使うと温度上昇が30度以下に抑えられるはずです。

消費電力の表記では、
1/10W (0.1W 100mW)
1/4W (0.25W 250mW)
1/2W (0.5W 500mW)
1W (1000mW)

などの消費電力が部品ごとに書いてあると思いますので必要な容量より大きなワット数を使用したほうが良いと思います。


●個人的に思う事
思うに抵抗一本一本のワット数を求めた方がいいのでしょうが、話を単純にするため回路丸ごとの抵抗値でもとめました。
計算方法が正しくないかもしれません、間違っていたらおしえてください。


■抵抗分圧で3Vリレーを5Vで動かす

この方法は動作時に内部抵抗が変化する部品では利用できません
まずは、3Vリレー自体の抵抗値を測定しました。

リレー自体の抵抗値は25Ω程度といった所でしょうか。

そこでこのような回路を考えます。


リレーに3Vを供給しようとすると抵抗値は、25 ÷ 3 × 2 = 16.6 で約17Ωになります。 100Ωを6本並列に接続するとちょうど16.6Ωになりますが、そんなにたくさん100Ωは無いですので、 100Ωを4本並列にして25Ωにして、代用したいと思います。
両方とも25Ωですから5Vが二つに分割されるため、リレー自体は2.5Vで動作させる事になります。
消費電力は、2.5V × 2.5V ÷ 25Ω = 0.25W になり、倍の容量の1/2Wの抵抗器を使えば良さそうです。


本来5Vリレーを使用する回路に25Ωを直列に入れた3Vリレーを使用しました。
リレーのコイルにかかる電圧を測定した所、約2.4Vであり、とりあえず動作しそうです。
電球や各種回路などは動作している時と動作していない時では内部抵抗が変化しますのでこの方法は使用できません。


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